名誉院長の奥様のご尽力により、こちらの病院では長きに渡り様々なアーティストが招かれ、定期的にコンサートが開かれています。また、早朝には、ボランティアの方々により、毎日ピアノの演奏が行われる等、音楽を用いた先進的なケアが実現されている、大変理想的な病院です。この度は、幸運にも、２００６年に続き二度目の出演となります。前回、武満徹の作品を弾かせて頂いた折に、この作曲者が最も大切にしていた「沈黙の中に音楽は生まれる」というスタイルを、こちらが説明するまでもなく、ごく自然に体で感じ理解下さった、素晴らしい聴衆の方々であった事を思い出します。拙い演奏でしたが、大変熱心に、温かく耳を傾けて下さいました。私自身の未熟な技術では、何かを与えて差し上げる様な事はまだまだ出来ませんが、音楽そのものから発信され得る、おそらく言葉よりも強いメッセージを、当日は是非ひとりでも多くの方々が受け止めて下さったらと、心から願っております。どなたでもご自由にお聴き頂けるコンサートですので、ご興味頂けましたら、是非とも足をお運び下さいませ。