コラム

香りは楽しむだけではない?

先日、アロマに関するレクチャーを聴かせて頂く機会がありました。
香りの効能によって心身を癒すアロマセラピーは、女性の間でも人気が高く、セラピストとして資格を取る方もいらっしゃいますが、昨今のストレス過多の時代においては、ごく一般の方が、どなたでも普段の暮しの中で、香りを上手に取り入れていると言った印象を持ちます。
この度は、その心身のリラクゼーションという所から先に進んで、医学的な観点から、臨床でどの様に活用され、治療に取り入れられているのか、そうした専門的なお話をお聴きしました。

私の様にアロマには無知な者でも、ユーカリやヒノキは、森林の清々しい香りで、透き通った色を想起させ、精神が落ち着き、心拍数が下がる様なイメージを描きますが、それよりも効能として優れているのは、抗ウイルス作用だそうでして、更にヒバ油という精油は最もその作用に長けているとの事でした。コロナ禍においては、大変重宝するアロマであると言えます。
また、ティ―トゥリーという精油は、免疫調整の役割を持ち、抗ウイルス、抗菌作用にプラスして、抗炎症作用も持つ事から、これからの花粉症の時期には活躍できそうです。
入院加療中の方々にも十分可能であり、まさに補完療法として力を発揮しているのだという事を知りました。
現在では、研究のデータも集積され、医学的根拠に基いた有効性のエビデンスも得られつつある様です。

アロマは人間の五感のひとつの嗅覚で「感じる」ものであり、香りに対する快・不快は、全く主観的な評価として存在するため、それは音楽を聴いて及ぼされる心理作用と似通った所があります。
体の不調を起こしていると、あらゆる香りが強く感じられ、例えば石鹸や洗剤の良い香りが鼻を刺し、かえって気分を悪くさせる事がある様に、五感が敏感になっている時には、まずは個々の患者さんが心地良いと感じられるアロマを選択する事が、肝要である様です。

さて、私自身は、アロマを生活の中に積極的に取り入れるというレベルまでにはまだなっておりませんが、その代り、ボディシャンプーに様々な香りのものを揃えて、朝は気分を高めたり、夜はリラックスするために活用しています。
以前、静岡で宿泊したホテルでは、さすがはお茶の名産地(!)、グリーンティーの香りのハンドソープやボディシャンプーがバスルームに備え付けてあり、初めて使ってみた所、何とも癒される香りに感激しました。それ以来、ショップで同じ香りのものを購入して、もう十年以上も使い続けています。
また、これから春の季節に向けて使うとしたら、桜の香りも良さそうですね。
いずれにせよ、お茶にしましても、桜にしましても、癒しが得られる理由は、(例えパスタが好き過ぎても?)、きっと自身のルーツが日本にあるからと言えるでしょう。

2023.02.05 23:45

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