コラム

人の生が問われているものとは

さて、本年も残す所、僅かとなりましたが、2024年を振り返り、皆様にとりましては、どの様な一年でしたでしょうか。
人々の生活には、ようやくパンデミック以前の日常が戻り、その中でコロナがもたらしたものは決して負の産物ばかりではなく、欧米に遅れを取る、日本の社会のデジタル化の促進という、賛否両論はありますが、いわばそうした恩恵の様なものを受けながら、日々の暮らしを送る事ができた様に感じています。

私自身は、相変わらずアナログ寄りの人間のままではおりますが、個人的には、若い頃より愛読しているヴィクトール・フランクルの名著を丁寧に読み直し、改めて「人生から問われているものは何か」、について考えを巡らせるひとときを持つ事ができたのは幸いでした。
また、少しずつ年齢を重ねてきたせいでしょうか… 幸福というものは、それが存在する場所、つまり幸福の在り処をどこか遠い所に追い求めるようとするのが正解なのではなく、むしろ幸福は人々のすぐ近くに在る、ごくシンプルな日常の中に在り、それらを我々が「感じられる力」で幸福の存在を知る、という重要な事について、再認識できる様にもなりました。
こうして哲学的な思いに耽る時間が増えつつあるのも、パンデミックを経験し、人生観が少し変わった事が影響しているのかもしれません。

本年も、読者の皆様から温かい励ましのメッセージや、コラムのご感想をお送り下さいまして、心より有難うございました。
ひとつひとつ大切に読ませて頂き、多くの言葉が私にとり、大きな力となりました事を深謝申し上げます。
来る年が、明るく希望に満ち溢れた年となります様、心より祈念致します。

塩見 貴子

2024.12.31 23:35

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