今年を振り返って
今年も、残す所、あと数時間程となりました。
皆様にとりまして、今年はどの様な一年でしたでしょうか。
震災に見舞われた本年を振り返り、個人的には、「有限と無限」について深く考えさせられた年となりました。
日々の生活の営みの中で、変と不変のバランスを取りながら、ごく当たり前に暮らせるという事の有難さを身に沁みて感じた、そんな一年でした。
自然災害を始めとする、人間の力の及ばない何かに抵抗するという事は、残念ながら出来ません。
ただ我々は、与えられた有限の時間の中で、可能な限り自分に出来る事を、精一杯やり尽くすしかないのです。
「芸術は長く、人生は短い」
芸術は時代を経て受け継がれる、無限の産物です。
その様な分野に、自身が関われる事を幸運に思うと共に、では有限の人生のうちに、一体何が出来るのかと突き詰めてみると、とても難しい問いです。
限られた時間の中で、これから答えをひとつでも見出す事が出来たら幸いですが・・・。
それでは、来る年が、皆様にとりまして素晴らしい年となります様に!
心からお祈り申し上げます。
塩見 貴子
皆様にとりまして、今年はどの様な一年でしたでしょうか。
震災に見舞われた本年を振り返り、個人的には、「有限と無限」について深く考えさせられた年となりました。
日々の生活の営みの中で、変と不変のバランスを取りながら、ごく当たり前に暮らせるという事の有難さを身に沁みて感じた、そんな一年でした。
自然災害を始めとする、人間の力の及ばない何かに抵抗するという事は、残念ながら出来ません。
ただ我々は、与えられた有限の時間の中で、可能な限り自分に出来る事を、精一杯やり尽くすしかないのです。
「芸術は長く、人生は短い」
芸術は時代を経て受け継がれる、無限の産物です。
その様な分野に、自身が関われる事を幸運に思うと共に、では有限の人生のうちに、一体何が出来るのかと突き詰めてみると、とても難しい問いです。
限られた時間の中で、これから答えをひとつでも見出す事が出来たら幸いですが・・・。
それでは、来る年が、皆様にとりまして素晴らしい年となります様に!
心からお祈り申し上げます。
塩見 貴子
2011.12.31 21:15
「クラシック音楽の楽しみ方」はあるのか
「クラシック音楽というとあまり馴染みがないのですが、どうすれば音楽を聴いて楽しむ事が出来るでしょうか?」
以前、この様な質問を聴衆の方から頂いた事がある。
答えは・・・ 「貴方次第です」
そのシンプルでありながら、難しい質問に、正解というものを見つけるのは、私には容易でない様に思える。
本屋に行けば、必ずと言ってよい程、ベストセラーのコーナーに、指南書、所謂ハウツー本が並んでいる。
これは、日本特有の現象であるのかもしれない。
それだけ、我々は形から入り、いわば物事の方法や作法の様なものをまず尊び、重んじる国民性の表れであろう。
音楽は、「音を楽しむ」と綴るが、耳から入ってきた音を享受し、感覚的現象として、楽しみを覚えられるものである。
よって、この音楽は心地良い、であるとか、反対に不快であるといった事を感じるのは、人により異なるのは必然の事だ。
クラシック音楽を本当の意味で楽しむ事が出来る様になるには、この堅苦しいと言われる音楽に、少しだけ自分から近づいてゆく事、即ちもっと能動的に音楽に触れてみようとする所から始まるのではないかと思う。
もともと西洋で生まれたものであるから故という訳ではないが、クラシック音楽をただ受動的なスタンスで聴くのと、そうでないのとでは、「楽しみ」として感じられるものが違う様に思う。
西洋のメンタリティ-を幾分か自分の中に取り入れて、積極的にまず音楽に関わってみる事。
そこに、作法の様なものは、存在しなくとも良い筈だ。
公共のホールで聴くのならば、周りの人の迷惑にならない様、少しのマナーを守りさえすれば良いだけの事である。
コンサートで、トークの中で曲目の解説を挟むのは、聴衆の方々に、より能動的にコンサートに参加して頂きたい、奏者と皆様で一緒になってパフォーマンスを作り、その状態の中で鑑賞をして頂きたいと、音楽家が心から願っているからだ。
聴こえてくる音に耳を傾け、音楽を、あるひとときに皆で共有する事。
それもまた醍醐味であり、理屈は要らない様に思う。
再現芸術として、楽譜という残された遺産から、音楽をどの様に表現するか、常に模索する一方で、また人間と過去の大作曲家が創造した作品とを繋げる架け橋としての、現代の多様化された時代に求められた奏者の役割について、これからもなお答えを求めて、理想を探してゆきたいと思う。
以前、この様な質問を聴衆の方から頂いた事がある。
答えは・・・ 「貴方次第です」
そのシンプルでありながら、難しい質問に、正解というものを見つけるのは、私には容易でない様に思える。
本屋に行けば、必ずと言ってよい程、ベストセラーのコーナーに、指南書、所謂ハウツー本が並んでいる。
これは、日本特有の現象であるのかもしれない。
それだけ、我々は形から入り、いわば物事の方法や作法の様なものをまず尊び、重んじる国民性の表れであろう。
音楽は、「音を楽しむ」と綴るが、耳から入ってきた音を享受し、感覚的現象として、楽しみを覚えられるものである。
よって、この音楽は心地良い、であるとか、反対に不快であるといった事を感じるのは、人により異なるのは必然の事だ。
クラシック音楽を本当の意味で楽しむ事が出来る様になるには、この堅苦しいと言われる音楽に、少しだけ自分から近づいてゆく事、即ちもっと能動的に音楽に触れてみようとする所から始まるのではないかと思う。
もともと西洋で生まれたものであるから故という訳ではないが、クラシック音楽をただ受動的なスタンスで聴くのと、そうでないのとでは、「楽しみ」として感じられるものが違う様に思う。
西洋のメンタリティ-を幾分か自分の中に取り入れて、積極的にまず音楽に関わってみる事。
そこに、作法の様なものは、存在しなくとも良い筈だ。
公共のホールで聴くのならば、周りの人の迷惑にならない様、少しのマナーを守りさえすれば良いだけの事である。
コンサートで、トークの中で曲目の解説を挟むのは、聴衆の方々に、より能動的にコンサートに参加して頂きたい、奏者と皆様で一緒になってパフォーマンスを作り、その状態の中で鑑賞をして頂きたいと、音楽家が心から願っているからだ。
聴こえてくる音に耳を傾け、音楽を、あるひとときに皆で共有する事。
それもまた醍醐味であり、理屈は要らない様に思う。
再現芸術として、楽譜という残された遺産から、音楽をどの様に表現するか、常に模索する一方で、また人間と過去の大作曲家が創造した作品とを繋げる架け橋としての、現代の多様化された時代に求められた奏者の役割について、これからもなお答えを求めて、理想を探してゆきたいと思う。
2011.12.19 23:50
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